《アートは症状である》
ー おくのほそみち ー
2007.12.1-2 於:キッド・アイラック・アート・ホール
空間演出:大串孝二/構成演出:及川廣信/ 映像構成:加藤英弘
音楽構成:弦間 隆/照明構成:坂本明浩/スタッフ:渡辺アルト
“アートは症状である”の今回は、<美術を前提>にして、各分野のアーティストが関わっています。互いに話し合っているうちに、最初に浮かび上がったのは「虚と実」の問題で、このことが中心となってさらにいろいろなことが討論されたようです。というのは、各ジャンルによって技法が異なりますし、技術の上からしか新しいアイデアは生まれないからです。
今は精神医学と社会学が勢いがいい時代です。われわれはその時代の流れに乗るわけではなく、むしろ時代の慢性的な流れの底辺にある忘れられたものを掘り出したいのです。その意味では今の社会学の“レフレクション(回顧)”の方向に同意します。なぜなら、ポスト・モダンということばには、近代は終わったというニューアンスがあるからです。
果たして近代は終わっているのでしょうか。ウェブの世界ではグーテンベルク以来の革命の時期だという観点から、回顧どころか新進化論を唱えている人々がいます。前へ進むものと、振り向くもの、しかし今は一人の人間の中に、この強力な逆方向の引力が働いている時代なのだと思います。
新しい発想、発見。優れた学説や技術があるなら、その中にもぐって、さらに独自なものを創り出せ。ここにも、愚化しない孤高の精神と、共同作業が生み出すものへの期待があります。
アートは症状であるのでしょうか。それは精神医学的症状なのでしょうか。多分それは気質的なものではなく、その時代の意識・感覚を、日常の枠を越えて仮想として表現する(再現 レプレザンタシオン)からなのでしょう。
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