Thursday, November 29, 2007

「アートは症状である」の構成

 《アートは症状である》
   ー おくのほそみち ー  
       2007.12.1-2 於:キッド・アイラック・アート・ホール

まず、“おくのほそみち”の細部から入ること。ダンス・パフォーマンスの進行、構成は以下の通りです。

開演 VTRスタート 瀧のVTR + シルエット      3'30"
1場 修羅(山下浩人) ほんのりとした電燈の色合い  10'00"
2場 女面(村田みほ子)状況としての色がかわる    10'00"
3場 狂女(浅沼尚子) 状況としての色がかわる    10'00"
4場 切り(及川廣信) ちょっと明るく        12'00"
胎臟マンダラ 金剛界マンダラ
ラスト 再生(浅沼/村田/山下)           6'00"
太陽の光 青白い明るい光り
オーゼの死 地底にとぐろ巻くへび 耳 宇宙への聴覚 
瀧の逆流するVTR  照明 F.O  VTRが終わる 客電   計)51'30"

 たちこめるそらいちめんのむらさきのくも
    荒川堤赤水門河川敷
 ころされたおとこのしたいがそこにみえる
 てれびでみたえいがのひとこま
 はなしの虚のなかの実のからだ

 わたしはいまここにたっている
 ゆったりとしたみづのながれと
 きしベにうごくくさぐさの細部
  
  象徴界地底現実界曼陀羅図
 ほそみちをおりてゆくひとの影
 おくにきこえるぴあののおとはー

この作品は「虚と実」をテーマにしています。虚と実は、“アートは症状である”という名言を発した精神分析家のラカンの理論によると、<実>は“現実界”に、<虚>は“象徴界”に当たります。彼のいう“現実界”というのは、日常のリアルな世界ではなく、リアルな現実の中に潜む“物自体”ともいうべき世界です。その上を覆っているのが“象徴界”で、言語を基底に意味作用をなす世界です。
われわれは、混合した2つの世界の境界において、空間表現の側からそのテーマに当たるため、地上と地下、太陽と影の面からそれに向ってゆくことにしました。アートの各分野からのコラボレーションによるものです。

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