Thursday, October 15, 2015

10月公演のために


特別通信 蒼さんに

リンパ腺を活動させるのは、副交換神経の方です。そして、それはあ座禅した時に感じるからだの細胞の細密な感覚と同じ状態なのです。
心の微妙な感覚的な動きの変化が、インスリンや成長ホルモンのようなリラックス系のホルモンに影響されている時の感覚なのです。ホルモンは理性ではコントロールが難しく,そのため、ホルモンを分泌させる元の、脳床下部や脳下錐体に直接影響を与えて、ホルモンを促進させることが必要です。
このように、リンパ腺を直接刺激するのは副交換神経で、それを納得するためには、座禅などによる瞑想状態、または、“気功”による態、亀などの呼吸運動の状態などを参考にして、習得、確認すべきです。

宇宙の膨張しつつある外部の力と、個人が内側から主張する外に向っての力がせめぎあうときに感じる、その融合するエネルギーのなかに見い出すのが、われわれが求めている<眞如>の姿なのであり、その時に感じとる宇宙の理こそ<法相>なのです。
そして、それ以前にわれわれがこの世に感じ、見るものは、“色とかたち”の「絵画の認知」と、“音とリズム”の「動き」とが典型となるもので、、それが “分節”すること によって“意味するもの”として現象するのですが、すべては“陰と陽との対立するエネルギー”が、仮の構造をつくるため、3と4の、または円の方式を選んでこの世に仮の姿と構造を描いているのではないでしょうか。

そして、からだが外に向って動いてゆく時の皮膚への圧力は、表皮の4層の下にある真皮の中の触覚細胞とそれを後ろから圧する圧覺細胞とが創り出すので、その際、内・外のせめぎあいを皮膚の上に感じるのですが、その時に感じる「強度」こそが「真相」であり、「真実」なのです。そして、そのことを暗示して教えているのが、アルトーのあの“呼吸”と“筋肉”の「聖なる三角形」なのです。


昨日の高橋さんの武蔵小金井での公演は最高でした。私が彼女の踊りを見て納得したことは、人類発生の最初期の“脊椎動物時代”が約5億年前と想定すると、腕、脚の先端部の手足が出来たのは両生類といわれる約3.6億年前で、その後に腕や上肢が出来上がるのが、今から700万年前の人類と命名される時代になってからである、という学説をそのまま彼女の踊りに見せられた、ということでした。

それに付け加えると、背骨は魚と同じように約5億年前の“無頤類時代”の後に出来上がったわけで、その中でも頸椎が手首、足頸と同じように、生活するための「智慧」の働きをしていたのではないかと、その動きを見て推測されたのです。そしてその後に、掌と足の裏の「知性」が発祥して行ったのではないだろうと、その高橋さんの演技を見ているうちに推測されたのでした。

このようなことから、「ダ・ヴィンチの顔の三等分」と「デル・サルティズム」の躯幹の三等分の意味と形成の歴史が了解されただけでなく、現在われわれが演技の上で身体の意味性で問題としている、肘や膝の「頭部の代理」と、頸椎と手首、足頸の「智慧」の働きが納得されるわけです。

そして、それだけでなく、私が今考えあぐねている、とそれが対象とする「地・水・火・風・空」の五大を合わせての、六大の関係性なのですが、今その中のを空間ではなく、大乗仏教の中観が言う、有るでもない、無いでもない空(くう)とする、と同時に、を、眼・耳・鼻・舌・身・意の対象を識別する働きを、素粒子の段階まで細密化することによって世界を量子力学の「空(くう)の世界になるところまで持って行くとすると、初めて身体が感じる眞如と宇宙に感じる法相の姿が見えて来るのです。

これをインドの“ウパニシャッドの哲学”から引用すると、それは宇宙のブラフマンと個人の魂であるプルシャとの合一であり、空海の世界で言うと、それこそが 空海が修行時代に、あの室戸の海岸線にある洞窟から聴いた波音に、眞言の域を垣間見たのではないでしょうか。

No comments: