Tuesday, August 28, 2007

ヒノエマタへ

私がヒノエマタでパフォーマンスのフェスティバルを行なおうと決意したのは前記のシュウ ウエムラのメイクアップの巡業後、その演出料を手にした時だった。それまで「肉体言語」の同人の間でパフォーマンスという新しい芸術形式が話題になったことがあった。また、星野共はそのイヴェントを行なうなら福島県の尾瀬沼の裏玄関にあたる檜枝岐という平家村が良いでしょう、と言っていた。しかし、実現へ向けての話し合いではなかった。

私は直観して、今だ!と思った。資金はこの金でなんとかなるだろう。夏までにまだ3ヶ月ある。その場で音響の弦間隆に車でヒノエマタまで一緒に行ってくれることを依頼した。承諾を得て早速2人はヒノエマタへ出かけたのである。
パフォーマンスが出来る場所として、河川敷、公演、公民館、神社前の広場などを、また宿泊として温泉付きの民宿と村外れの藁葺き屋根の“出づくり小屋”も宿泊として借りることもできた。それに蕎麦も美味いし、東京から遥かに離れた周りの空気は澄み切っている。

肉体言語舎が主催で、制作をscorpioが担当することに決まり、チラシを作り、関係者に伝える。パフォーマンスという新しい芸術スタイルはすでに日本にも始まっていたが、その時は各ジャンルの第一線にいる者たちにとっては、来るべき新しい道をさがすための初めての出逢いと捉えられたようだ。現地までの70人乗りのバスをチャーターした。直接、浅草からの東上線とバスで行く人もいる。
われわれはその時は観客動員のことはあまり考えなかった。ただ、各ジャンルのアーティストたちの出会いと参加だけを目的にして興奮していた。

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