Thursday, August 23, 2007

Jam

Jamという機関紙があった。最初、日本マイム協会の機関紙として、scorpioが自費で発行したものだった。ところが協会の会員たちが マイム以外のアートの記事が多かったので大して関心を示さなかったのである。それだけでなく協会の集まりを持っても、ひとつのジャンルに拘りすぎていて、あまりにも視野が狭すぎるのに不満をもった勅使川原三郎、武井よしみち、“ぼっこわぱ”と私が脱会し、そのままヒノエマタ パフォーマンス フェスティバルの方に移籍し 、scorpioが発行していたJamがそのままパフォーマンス活動の広報紙となってしまった。

また、Jamと「肉体言語」、それにつづいて発行された「Theater Book」がパフォーマンス活動の支持体として、またパフォーマンスの芸術宣言、あるいは批評・討論の場となった。これらの情報紙、同人誌、雑誌はすべて七月堂という詩専門の出版社の印刷部に委託し、「肉体言語」は最初の段階は七月堂が発行所になっていたが、後に肉体言語舎に変わった。「Theater Book」の発行はscorpioであった。ところが、このJam(ジャム)という広報紙はまったくの手作りではじめたもので、勅使川原三郎がアートディレクター、ライターは湯本香樹実で、編集 上野陽一 監修 及川廣信であった。ライターの湯本香樹実は当時は作曲家であったが、後に作家となった。当時はまだワープロ機も発売されていない頃で、タイプだけは七月堂に依頼し、写真はコピー機で複写し、七月堂の木村栄治氏に発行人になってもらい、木村氏自身が自分の手で無料で印刷し、後援してくれた。

No comments: